学部長挨拶
国際教養学部長 和田 健
国際教養学部は文系理系にとらわれない幅広い学びをもとに、課題解決に取り組める力を養いそして世界に発信できる人材育成を目指しています。
世界の中における日本を意識しながら、地球規模の解決すべき課題(イシュー)を発見し、その解決の道筋を模索し、解決方法を実践的に提案していくという、「課題解決型の学び」を進めていきます。
何か定まった学問分野から出発するのではなく、課題解決に必要な学問分野の成果を貪欲に吸収していくことが必要です。国際教養学部が文理混合を理念として掲げているのは、そのためです。自らの専門を定めるのは試行錯誤のなかから定めてよいという学びです。千葉大学の国際教養学部では、どのような人材に育ってほしいか、以下の2つの観点で記します。
既成の枠組みにとらわれないイシューベースの思考
文系理系という枠組みで見てしまうとその段階で既成の枠組みに陥ります。そもそも文系理系という枠組みに分けず、あらゆる分野に触れることに挑戦できる人材の養成を目指します。そのためには「現代社会で問題になっていることは何か?」という問いから考え、そのための解決方法を探るためにどのような学問的方法(ディシプリン)があるのかを探る、という思考プロセスで考えていきます。早くから専門分野が決まっていなくてもよい。学びのなかで発見してほしいという考えが根底にあります。
発信力を意識した対話スキルの養成
イシューを深めるために必要な行動が対話です。ディスカッション、意見調整、ブレーンストーミングなどあらゆる対話の回路を意識した学びを目指します。そのためアクティブラーニング形式の授業、そしてキャンパスを出て学ぶフィールド系の授業も多く用意しています。そして対話を深めるために、多くの人が共有できる言語を選択して行う意識を磨きます。それが英語を使う場合、留学先の母語を使う場合、そして日本語がよい場合など、言語のチャンネルを意識した人材育成をめざします。
みなさんは、これまでの人生で体験してきたことがらも違えば、それぞれの関心や希望そして考え方、文化的背景も異なるでしょう。そうしたみなさんの多様性を生かすことができるよう、またみなさんひとりひとりが異なる学びを実践することができるよう、教職員と学生の距離が近い少人数教育を実現していきます。みなさんの試行錯誤と悩みを乗り越えられるように、教職員と学修支援職員(SULA)が伴走しながら、国際教養学部で新しい学びのあり方に挑戦していきましょう。